「とりあえずSlack入れたけど、結局メールも使ってる」問題の処方箋
「Slackを入れたら業務が効率化するって聞いたから導入したんだけど……」
「結局、大事な話はメールで来るし、Slackは雑談ばかりで見なくなった」
こういう話、本当に多いです。
特に社員数20〜50人くらいの会社で、Slackを入れたけど定着しなかったというケースをよく聞きます。
でもこれ、Slackが悪いわけでも、社員のITリテラシーが低いわけでもありません。
原因はほぼ一つ。「何をどこで伝えるか」を決めずに導入したことです。
「便利なツールを入れれば変わる」は幻想
ツール導入でよくある勘違いが、「良いツールを入れれば、自然と使い方が最適化される」という考え方です。
残念ながら、そうはなりません。
人は慣れた方法を使い続けます。メールで仕事をしてきた人は、Slackがあってもメールで送ります。
「Slackで送ってください」と言っても、「了解です」とメールで返事が来る。これが現実です。
ツールを変えるだけでは、行動は変わりません。
行動を変えるには、「何をどこで伝えるか」のルールが必要です。
メールとSlackの使い分けは「相手」と「速度」で決める
うまくいっている会社を見ると、だいたい次のような使い分けをしています。
メールを使う場面
- 社外の取引先とのやりとり
- 契約書・見積書など正式な書類の送付
- 記録として残す必要がある連絡(言った言わないを防ぐ)
- 相手が数日以内に確認すればいい内容
Slackを使う場面
- 社内の連絡・相談・質問
- 「今日中に確認してほしい」レベルの急ぎの連絡
- ちょっとした確認(「○○さん、今日出社してますか?」など)
- プロジェクトの進捗共有
要するに、社外=メール、社内=Slackという大原則です。
これだけ決めるだけで、「どっちで送ればいいんだろう」という迷いが消えます。
Slackが雑談ツールになる原因
「Slackが雑談ばかりになった」という会社の共通点があります。
それは、チャンネルが1〜2個しかないということです。
#general だけ、あるいは #general と #random だけ。
全員が同じチャンネルに投稿するので、業務の話と雑談が混ざって、重要な情報が流れてしまう。
結果、「大事なことはSlackに書いても見てもらえない」→「やっぱりメールで送ろう」となる。
最低限、次のチャンネルを作りましょう。
- #全体連絡:全社員への通知。投稿は管理職のみ、返信は自由
- #部門名(例:#営業、#経理):部門ごとの業務連絡
- #案件名(例:#A社プロジェクト):案件ごとの進捗共有
- #雑談:業務外の会話はここに集約
チャンネルを分けるだけで「ここに書けば関係者に届く」という安心感が生まれます。
移行期間の「二重運用」は許容する
「明日からメールは禁止、全部Slackにしてください」は絶対にうまくいきません。
人は急な変化に抵抗します。
私がおすすめしているのは、2〜4週間の移行期間を設けることです。
この期間中は、メールとSlack両方を使ってOKにします。
ただし、「社内連絡はなるべくSlackに書いてみてください」とお願いする。
移行期間中に意識するポイントは一つだけ。
社内メールで来た連絡を、「これ、Slackの方が早いですよ」と穏やかに誘導すること。
怒ったり強制したりせず、「そっちの方が楽ですよ」と伝える。これだけで、少しずつ移行が進みます。
ツールよりも「情報の流れ」を先に設計する
Slackに限らず、新しいツールを入れるときは、先に「情報の流れ」を設計してください。
- 誰が、何を、どこに書くのか
- それを誰が読むのか
- いつまでに反応すればいいのか
この3つが決まっていれば、ツールは何でもうまくいきます。
逆に、この3つが決まっていなければ、どんなに優秀なツールを入れても機能しません。
「Slackが定着しなかった」のではなく、「情報の流れを設計しなかった」のが原因です。
ツールを入れ直す前に、まず情報の流れを紙に書いてみてください。
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