見積書を出すのに3日かかる会社が、即日対応できるようになった話
「見積書、いつ届きますか?」
取引先からのこの一言が、営業担当者にとってどれだけプレッシャーか。
分かっている人は多いのに、なぜか見積書の作成スピードを改善する会社は少ないです。
先日、ある建設関連の会社から相談がありました。
「見積もりを出すのに毎回3日くらいかかっていて、その間にお客さんが他社に流れてしまう」と。
3日。たかが見積書で3日。
でも、話を聞いてみると、3日かかる理由がちゃんとありました。
なぜ見積書に3日もかかるのか
その会社の見積書作成フローを書き出してもらったら、こうなっていました。
- 営業がお客さんからヒアリングする(初日)
- 社内に戻って、過去の類似案件を探す(ここで半日消える)
- 原価を計算するために、仕入先に確認の電話をする(返事待ちで翌日に)
- Excelで見積書を一から作成する(2時間くらい)
- 上司に承認をもらう(上司が外出していると翌日に)
- お客さんにメールで送付する
1つ1つは合理的に見えるのですが、全体で見ると無駄が多い。
特にボトルネックは「過去案件を探す時間」と「承認待ち」でした。
改善①:見積テンプレートを「商品別」に用意する
この会社では、見積書を毎回ゼロから作っていました。
過去の見積書をコピーして修正するのですが、その「コピー元を探す作業」が時間を食っている。
そこで、よく出す商品・サービスの組み合わせごとにテンプレートを作りました。
全部で8パターン。これだけで、作成対象の見積もりの9割をカバーできました。
テンプレートには、品名・単位・標準単価をあらかじめ入れておきます。
営業担当者は、数量と値引率を入力するだけで見積書が完成する状態です。
これで、見積書作成にかかる時間が2時間から15分に短縮されました。
改善②:仕入原価をデータベース化する
毎回仕入先に電話して原価を確認していたのを、Excelで原価テーブルを作って対応しました。
主要な仕入品目(だいたい50品目くらい)の原価を一覧にして、月に1回だけ仕入先に最新価格を確認して更新する。
それ以外の時期は、このテーブルの価格を使って見積もりを作る。
「でも、仕入価格は変動するんじゃ……」と心配されましたが、実際に確認してみると、月に1回の更新で十分な精度でした。
大きく価格変動するような特殊な品目だけ、都度確認する運用にしています。
改善③:承認ルールを金額で分ける
見積書の承認は、全件を部長が行っていました。
部長は外出が多く、デスクにいる時間が短い。だから承認が翌日になる。
そこで、承認ルールを金額で分けました。
- 30万円未満:営業担当者が自分の判断で送付OK(事後報告)
- 30万〜100万円:課長の承認で送付OK(チャットで即承認)
- 100万円以上:部長の承認が必要(従来通り)
この会社の見積もりの7割は30万円未満だったので、大半の見積書がその日のうちに送れるようになりました。
結果:3日→即日、受注率も上がった
3つの改善を実行した結果、見積書の送付は原則即日対応になりました。
「すぐに見積もりが届く」という評価が広がり、翌月から新規の問い合わせ時の受注率が明らかに上がったそうです。
社長が言っていた言葉が印象的でした。
「見積もりのスピードを上げただけで、営業力が上がった気がする」
実際、見積もりの速さは営業力です。
お客さんが比較検討しているとき、最初に届いた見積書が基準になる。後から届いたものは「比較対象」になりやすい。
先に出すだけで、有利な立場に立てるんです。
すべての会社に共通する改善ポイント
見積書の作成スピードを上げたいなら、まずこの3つを確認してください。
- テンプレートは用意されているか(毎回ゼロから作っていないか)
- 原価や単価は、すぐに参照できる状態か
- 承認フローに不要な待ち時間はないか
3つとも「No」なら、改善の余地は大きいです。
どれか1つだけでも変えれば、見積書のスピードは確実に上がります。
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